最高裁判所第一小法廷 昭和23(れ)1309 判決
主 文
本件各上告を棄却する。
理 由
被告人A弁護人渡辺憲一郎上告趣意について。
しかし、弁論の再開を為すか否かは、裁判所がその職務上専ら独立して諸般の事
情を勘案し、適宜決定すべき任意事項であつて、所論のごとくこれか申請を必ず採
用せねばならぬ法令上の根拠は、毫もこれを見出すことができない。されば弁論再
開申請をしたいからとて公判の延期を求め一旦これを許容せられたにかかわらず、
速に首肯し得べき具体的な理由及び資料を提供することなく、漫然再開申請をした
からと言つて、これを採用しなかつた原審の処置を目して所論の違法があると言う
ことはできない。論旨は採るを得ない。
被告人Bの弁護人上村進の上告趣意について。
しかし、上告審は、純然たる法律審であるから所論のような量刑の不当又は事実
誤認の主張は、上告適法の理由となるものではない。また上告適法の理由となるべ
き法令違反の申立は、その理由を具体的に明示しなければならないこと言うまでも
ないから所論のようにたゞ漠然と「事実認定と法適用の権限を徒らに越脱し重刑を
科した」というだけでは、上告の審判を為すに由なき論旨といわねばならぬ。論旨
は、すべて採るを得ない。
被告人Aの上告趣意について。
しかし事実の認定及び刑の量定は、事実審たる原裁判所の専ら自由に裁定すべき
事柄であるから、所論は、当上告裁判所では採用することができない。
よつて刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決する。
この判決は裁判官全員の一致した意見である。
検察官 茂見義勝関与
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昭和二三年一二月二三日
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 齋 藤 悠 輔
裁判官 沢 田 竹 治 郎
裁判官 真 野 毅
裁判官 岩 松 三 郎
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